エジプト旅行記−1

99年12月15日(木)〜16日(金)

 エジプトに旅行するきっかけは、留学しているエジプト人(マホメットさん:エジプトでは、この名前がもっともポピュラーでおおよそ5人に1人がこの名前だったりする)と友達になったため。「冬はエジプト旅行のベストシーズンだから」という言葉を真に受け、海外旅行殆ど初心者(今まで、香港、韓国、台湾の3回のみ)が、航空券のみを予約して3週間も旅行することになった。

−航空券−
 マホメットさんは、家族(奥さんと子供4人)の元に帰るため予約に関してはやたら早く、9月くらいにはチケットを予約していた。大韓航空で往復9万円弱。結構安いと思っていたが、成田からだとトルコ航空を使えば、7万円弱でカイロの往復があるらしい。
 今回は、
12月16日 福岡 10:00発  ソウル 11:30発
12月16日 ソウル13:00発  カイロ 18:30着(約12時間)
(日本、韓国は時差なし。エジプトは、−7時間)
というスケジュールであった。


福岡〜カイロ往復のチケット

−出発前夜−
 熊本−福岡は、バスで2時間くらい。飛行場には、遅くとも2時間前にはついておきたい。(福岡空港は、バス降り場からさらに別のバスに乗らなければならないので時間がかかる)とすると、熊本出発は5時半前後になってしまう。前日からマホメットさんのうちに泊まり込んで、早朝一緒にバスターミナルまで行くことになった。福岡空港行きのバスの便は、
5:00発−7:00着
5:30発−7:30発
6:00発−8:00着
である。時間的に5時半が一番望ましいと思われるので、そうしようといったが、マホメットさんが「お祈りの時間がとれないので、ダメだ。」という。マホメットさんは、敬虔なイスラム教徒なので、1日5回の礼拝を欠かせないのだ。一番初めのお祈りは日の出前。この時期だと5:15〜5:45の間(5分間くらい)である。6:00発しかこの条件を満たす便はなく、必然的にこの時間となってしまった。途中で渋滞に捕まったら、どうなるだろうと思いながら出発。ちなみに、マホメットさんは成人してから、この早朝のお祈りをかかしたことがないらしい。ちらっと、二日酔いの時はどうするんだろうと思ったが、イスラム教徒は、アルコールが御法度なのでその心配はないようだ。
 この宗教一番という価値観にはその後も苦しまされることになった。

−大韓航空−
 大韓航空は乗った人に評判が悪く、しかも墜落したイメージが強いので不安だったが、そうでもなかった。サービスはまずまず、添乗員は韓国語(当然)、英語、日本語(ちょっと)と話せるし、美人が多い。男性乗務員も親切で、マホメットさんは大いに気に入ったようである。離着陸もスムーズで、パイロットの技量もかなりあるようだ。韓国の人に言わせると、大韓航空は撃墜されたことはあっても、自分から墜落したことは無いらしい。食事もまずまずで、特に不満はなかった。
 しかし、マホメットさんにとっては災難。搭乗した時期は、ラマダーン時期で日中(太陽が空にある間)は食事ができないのである。(ちなみに、旅行中は現地に着くまでは、日本時間で断食するらしい。飛んでいる地域の時間に会わせるわけではない。)ただでさえおなかがすいている上に、イスラム教徒専用の食事をオーダーしていなかったために、野菜とパンしか食べることができなかったのである。(むろん、あらかじめ頼んでおけば用意しておいてくれるのだが、すっかり忘れていたらしい)それ以外は、Perfectを連発していた。


(イスラム教徒の食事)
 ブタ肉以外は原則的に何でも食べられるが、動物は、首をはねて殺されていないといけない(Anatomically killedと言っていた)。このため、イスラム教の国以外で出される鶏肉、牛肉などは、どうやって殺されたかわからないため、決して口にしない。魚はその点大丈夫なので、国外では魚料理を食べるようだ。(刺身、寿司もOK)

−入国審査−
 さて、無事に飛行機の旅が終わり、飛行場に着き、搭乗口をちょっと出た時点でお父さんを紹介された。なんと、エジプトでは入国審査の中にまで外部の人が入れるのである!マホメットさんのお父さんは、Army officer だったので、入国審査の役人にその資格を見せて、入っているようだ。もちろんそれ以外にも旅行会社の人が入っている(決して政府の役人ではない)ので、初めていくときは要注意。エジプト入国にはビザが必要だが、カイロ空港に着いたところに窓口があって、簡単に取得することができる。人物検査は全くなく、単なる入国税という感じ。
カイロ航空で取得したビザ

入国審査のカウンターは小学校の教室くらいしかないこじんまりとしたもので、3−4人くらいで捌いていた。当然私の入国審査の際も、お父さんが横についていてくれたので、なーんにも問題なし。「This is Egypt!」ということだ。
 入国審査の場所を出てすぐに、エジプト全土で60台しかないといわれたWorld Cash サービスが使えるATMがあった。ここで、現金をとりあえず 1,000 LE (Egyptian pond = 30yen)を引き出した。なんと、3万円が1回に引き出せる最大限度なのである。なんと、少ない!(と、この時は思った)

ワールドキャッシュのカードと利用明細書
 マホメットさんに、エジプト旅行中に借りるアパート代を支払うと言って、300LE(約1万円。日本にいたらまあこんなものか)を差し出したが、そんなものはいらないと言われてしまった。


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