エジプト旅行記−10

99年12月19日(日)−5

 見学するピラミッドは、サッカーラのピラミッド(階段式で、BC5000頃)とアブシールの3つのピラミッドになり、全部で3時間くらいかかるらしい。全ての移動距離を合計すると6キロ近く。砂漠の遠くにピラミッドが見えるし、まわりには観光客など一人もいない。いわゆるエジプトのピラミッド!である。

 ラクダ引きのおじさんは、ラクダの費用、入場料その他全部締めて$110だと言ってきた。日本円で1万円以上である。学生だが割引はないのかと聞いてみると$105になった。それにしても少々高くないだろうか。確か、40分くらい飛行機に乗って往復して(アブシンベルの飛行機)$85と書いてあったような記憶がある。と頭は働いたが、友達になったアリーが紹介してくれているし、騙されていないだろうと頭の中からこの考えを追い払った。

 残念ながら手持ちは、120LE(3600円)くらい。財布を見せて、
「これだけしかない。でも、この人が友達(マホメットさんの名刺を見せた)だから、帰ったら足りないお金を支払うことができる。」
マホメットさんの名刺
その裏(問題があったら、名刺先まで電話してくれと書いてあるらしい。)

・・なにやら2人して相談している。マホメットさんはお医者さんなので、どうやら信用してくれた模様だ。
「わかった。見学が終わった後に君の家にお金を取りに行くよ。それでいい。」
財布の中のエジプトポンドは、5LEほどを残して全て無くなってしまった。
(前金?として)

 交渉も終わって、ラクダに乗ることになった。思ったよりもラクダの背は高い。ラクダ引きのおじさん(ムスタファ)が、ラクダ(名前:ラムセス)の前足を細い棒でたたくと、前足を曲げ、さらに同じ用に後ろ足を曲げさせてようやく乗ることができる。たちあがる時と降りるときは、結構上下するので怖い。サッカーラのピラミッドまでは結構距離があるので、ムスタファもラクダの背中に乗って砂漠の中を疾走した。それほど早い速さではないが、人間が一生懸命走るよりは、遙かに早いだろう。サッカーラのピラミッドの前まで着くと、ムスタファが掘っ建て小屋を示して、
「しばらく(5分くらい)待っていてくれ。僕は入場券を買ってくるから。」 と言ってくれた。すぐ目の前に見えているのに、どうしてそんなに時間がかかるのだろう?とは思ったが、砂漠の中にいるし、そんなことはどうでもいい。ただただ、感激していた。  持ってきてくれた入場券は、10LE(300円)。思っていたよりも随分と安い。全部で30分くらいかけて見学。
 今回がエジプトに来て、初めての遺跡見学である。

遺跡の入場券

−サッカーラのピラミッド
 ジュセル王のもの。まわりにはピラミッドコンプレックスがあり、かなり広い。(周囲1キロくらい)段階状のピラミッドというとこれ。写真で見るとそれほど大きくない気がするが、近づいてみるとその偉大さに驚く。本当に真下に行くと、見上げても頂上が見えないくらいである。(高さ約60メートル。基底部140メートル×128メートル)ピラミッドの中には入れないものの、周囲にある神殿のレリーフは素晴らしい。中にはガイドの人がいて説明してくれるが、「バクシーシ(チップのこと)」を要求してくる。観光客もそれほどはおらず、じっくりと遺跡を見学する人には、格好の場所だ。


[BACK] [INDEX] [NEXT] [HOME]