エジプト旅行記−13

99年12月20日(月)−1

 朝早く起きて、日常のものを買いに雑貨屋まで行った。


どこにでも売っていたミネラルウォーター(1.5リットル)のラベル


この雑貨屋の親父さんは、あごひげを生やしている。マホメットさんもあごひげを生やしており、昨日騙されたときに「あごひげのある人なら、まあ、信用できる。」と教えてもらった。宗教的な背景からあごひげを伸ばしている(私は、ムスリムを信仰する意味)ということだ。これから、何かの役に立つかもしれない。

 汚れ物は石鹸を使って手洗いをしていた(砂漠の国だからといっても、この時期はそんなには早く乾きません。だいたい朝干して、夕方に乾くくらい)ので、そろそろ石鹸がなくなってきた。あとは、乾電池、お約束?のミネラルウォーターである。この時、10LEで支払おう(エジプトでは、できるだけ少額の紙幣を集める必要がある)としたが、早朝のためお釣りがないらしい。
 このおじさんは、英語は話せないし、電卓の数字も読めないので、困ってしまった。しばらく押し問答をしてから、おじさんはレジからお金を取り出し、5LE紙幣と1LE紙幣そして50pt紙幣を見せてくれた。どうやら、これだけ支払え、ということらしい。

 一度家に戻ってから、マホメットさんの家まで出かけた。ところが、マホメットさんのお嬢さんが病気になっていた。私を案内することはできなくなってしまったようで、とりあえずトラベラーズチェックを両替できるヘリオポリス(アパートから車で20分くらい)の行きつけの銀行にのみ、連れていってもらうことになった。$460を1570LEに両替してもらった。

Thomas cookで、両替したときのレシート

これで一安心である。マホメットさんは、それを見届けて今から娘を連れてお父さんのところに行くと車で走り去ってしまった。
 さて、困った。まったく知らない場所に置き去りにされてしまったのである。自分の力できたなら帰り方もわかるだろうが、今自分が地図上で一体どこにいるのかが皆目見当がつかない。むろん道路標識は、全てアラビア表記なので地名から確認することすら不可能。とりあえず、気持ちを落ち着かせるためにマホメットさんのお父さんに電話をして(以前おじゃました際、時間があいた時に、ギザのピラミッドに連れていってもらう約束をしていた)、明日ピラミッドに連れてもらえることになった。この時、銀行名(トーマスクック)を言って場所を確認しようとしたが、ヘリオポリスにはたくさんのトーマスクックがあるから良くわからない。ということである。タクシーに乗るのはいやな ので、方位磁石と道路の方向を照らし合わせながら、ここだろうか。あそこだろうかと思案していた。
 と、二人連れの男性が近づいてきて、「どうしたんだ。何か困ったことがあるのか?」と話しかけてきた。昨日マホメットさんに「自分以外のエジプト人を信用するな。」と言われたばかりだが、道を聞くだけなら大丈夫だろうと尋ねてみた。
「この地図のどこにいるのか教えて欲しい。」
「この地図はわかりにくい。一体どこに行くつもりなのか?」
さて、どこに行けばいいのか自分でもわからないから、最終目的地(自分のアパート)を言うしかない。マホメットさんに書いてもらっていたアドレスカードを見せた。
「何だ。これからそっちの方に行くよ。僕たちの車に乗りなさい。」
あれあれ、この前と同じだ。二日連続で騙されては大馬鹿者だが、乗りかかった船だ。思い切ってこの人たちの車に乗せてもらうことにした。


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