エジプト旅行記−18

99年12月22日(水)−1

 昨日は一日寝ていたので、随分と気分が良くなった。どうやら単なる食あたりだったようだ。まだ下痢は収まっていないものの、節々の痛みもほとんど無くなった。とりあえず、今日は動けそう。
 ガイドブックを無くしたことを、以前アリーにもモハメットさんにも、相談したが、二人とも
「日本大使館に相談したらどうか。ここの人は親切だから解決法を教えてくれるはずだ。ガイドブックもかしてくれるのではないか?(アリーは、世界でもっともすばらしい大使館のひとつだなんて、言っていた)」
と言っていた。一介の旅行者に対して、日本大使館がそれほど親切にしてくれるとは思えないが、こうなっては頼りはここだけだ。場所は、サダト駅の近くらしい。近くにはエジプト博物館もあるし、丁度いいだろう。

 いつものように、ラムセス行きマイクロバスの声を聞いて、ラムセス駅、地下鉄に乗ってサダト駅まで行った。ここに来るのももう3回目。来るたびにいつも苦々しい思いがするが、アリーにはそれ以来会うことはなかった。。。

 持っている地図には、日本大使館の場所は載っていない。マホメットさんに書いてもらった簡単な地図を頼りに歩いてみるが、どうしても場所がわからない。大使館風の建物を探しているのに、それらしいものが見あたらないのだ。近づいたと思われるところで、そのあたりにいる人に聞いてみると、あっちだ。と教えてくれた。

 ??そんな建物はないが。。と見てみると、大きなビルの3階に日本の国旗が掲げてある。(1階は銀行)「なーんだ。ビルの途中にあるんじゃん。」入り口でボディチェックを受けて、大使館(といっても、単なる受付窓口があるだけ。)に入った。

 窓口には誰もいない。とりあえずそこに置いてあった日本の新聞(朝日新聞)を見てみるが、12月16日までのものしか届いていない。日本では一体何が起きているのだろう。少し離れているだけだが、ちょっと心配になる。しばらく待っていると、ヒゲを生やした旅行者らしき日本人が入ってきた。新聞を見て、なにやらぶつぶつ言いながら、大使館の郵便ポストを眺めている。思い切って話しかけてみると、

ということであった。「いやあ、初めて日本人にあってホッとした。」と話すと、「エジプトには日本人が多いのに、珍しい」といわれた。いるところには、いるようだ。

 しばらくすると、受付の女性もやってきた(30−40代の女性)が、今一感じが良くない。一応、ガイドブックについて聞いてみたが、「古いガイドブックしかないし、貸し出すことはできない。」と言われた。確かに古いガイドブックで、おまけに観光スポットしか書いていない。がっかりだ。何も解決しない。。

 そうこうしていると、その日本人が「今から宿に帰るが、一緒に来るか?情報ノートもあるし、地球の歩き方も置いてあるはず。」と言ってくれた。
 少しは、良い方向にまわりだしたのか。ホテルまで連れていってもらうことにした。

 15分くらい歩いて、古ぼけた雑居ビルの前に到着した。日本の感覚では、 とてもホテルといえる代物ではないが、各階にいろいろなホテルが入っている ようだ。(海外では普通か?台湾でも、このような形式のホテルをみかけた) この日本人は、スルタンホテルに泊まっている(一泊なんと、5−8LE 1 50円〜240円)とのことだが、情報は最上階にある(6階だったと思う) サファリホテルの方が豊富だと教えてくれた。
 サファリホテルの中にいるのは全員日本人だが、一種異様な雰囲気。あとで 聞いたところによると、この中のボスである小林氏は、ここに3年以上住んで いるらしい。日本人長期滞在者の溜まり場になっている(一泊 180円だか ら当然でしょうか。。)
 情報ノートを見せてもらったが、あちこち旅をした旅行者が情報をメモとし て残していったもの。かなり細かく書かれており、参考になりそう。とりあえ ず、ルクソール、アスワンの宿の情報をメモ帳に写す。これでどうにか、当初 の目的地に旅行できるのでは。
 それ以外にも、

など、とりあえずエジプト旅行をするのに必要な情報は書かれている。(辛口な批評が多いし、偏った感想も多いので、鵜呑みにはできそうもないが。。)
日本人がたむろする宿にこの手のノートは、たいてい整備されているらしい。

 とりあえず、情報は得られた。が、お腹がすいてたまらない。何しろ、おとといの朝にパンを少し食べて以来なにも口にしていないのだ。タンパク質も食べたいが、食中毒も怖い。結局、マクドナルドに入ることにした。頼んだのは、

日本に比べると少しは安いが、エジプトの物価に比較するととてつもなく高い。こんな値段なので客は少なく、注文を受け付けてから作るので時間がかかる。肝腎の中身も日本と同じでまったく美味しくないし、店員も愛想が悪い。トイレが綺麗なこと(エジプトで使用した中で一番!)と食中毒のおそれがないことだけがエジプトのマクドナルドの売りか。これだけ食べてもあまり食べた気はしなかったが、とりあえずはお腹も落ち着いてきた。

 まだ、12時過ぎである。これから、エジプト考古学博物館にでも行こうと思っていると、がっちりとしたトルコ系エジプト人が話しかけてきた。


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