エジプト旅行記−8

99年12月19日(日)−3

 エジプトの乗り合いバスに乗るのは初めてだ。彼(アリー)が、バス代(25pt)を払ってくれた。 「エジプトでは僕がぜんんぶ払うから、今度僕が日本に行ったときには、君が払ってくれよ。」
なんて、言っている。面白いエジプト人である。ペンとメモ帳を取り出して、名前と住所を書いてくれないかと頼んでみると、わかったと言いながらやたら下手な字で(バスが揺れているためか?)住所を書こうとするが、なかなかかけない。

読めないけれど、下手なことはわかるでしょう。英語ぺらぺらにしては、書き慣れていない字。マホメットさんに見てもらうと、名前を書いているけれど、確実にnon-educatedということでした。
「ポスト番号を忘れちゃった。家に行けば、ネームカードがあるからそれを渡してあげる。」

 バスの中は空いていて、立っている人は殆どいなかった。と、15才−30才くらいの人が入ってきて、なにやら叫びながら商品(ドライバーやライターなど)をお客の膝に乗せている。こんなものただでくれるはずないよなぁと見ていると、どうやら気に入った人がお金を支払ってその品物を買うらしい。後から後から、同じように売り子が入ってくる。道の真ん中(当然車がびゅんびゅん走っている)では、ティッシュペーパーを売っている人もいるし、いやはやすごい。(止まった車に近づいて、交渉している)

 アリーは、車窓から見える景色を色々と説明してくれる。
ギザはカイロの隣の都市で、どちらも大きな都市。あそこには、カイロタワーが見える。ここは、ドッキーエリアでギザの入り口 etc.

  「エジプトのBreakfastを食べたことがある?もし、ないのなら君を是非僕の家に招待したい。両親にも会ってもらいたいし。そうすると、ギザのピラミッドはいけなくなるけれど、代わりにギザのピラミッドよりも古いサッカーラ(BC5000らしい)のピラミッドが見れるよ。どうだい?」
 ギザのピラミッドはいつでも見れるだろうし、何しろ最近まともな食事をしていない(今日の朝食は、昨日と同じくパンと水とチーズのみ)ので、食事にもひかれる。しかも、彼は金持ちといっていたし、騙しているわけではないだろう。

じゃあ、目的地変更だ。ここで降りよう。でも、遺跡の見学にはお金がかかるから、ここでお金をおろした方がいいよ。ここから先には銀行がないから。」

 残念ながら、いつも持ち歩いているクレジットカードも余分のエジプトポンドもトラベラーズチェックも今日に限って持っていない。(財布の中の120LEくらいが全財産。)
「でも、何も持ってきていない。お金が必要なのはわかるが、ここでは引き出せないよ。」
「No problem(エジプト人は、この表現が非常に好きみたい)足りなかったら、僕が貸してあげよう。」

バスを降りて、今度はラムセス駅に向かったのと同じ形のマイクロバスに乗り込んでアブシール村に向かった。(この運賃50ptも支払ってくれた)

Breakfast
 文字通り、断食を中断するの意味。ラマダーン期間中は、日中ずっと断食しているので、日本で言う夕食が、1日で初めての食事になるので、Breakfastになる。ラマダーン期間中はもっとも豪華な食事で、もてる者がもてない者に施すことも多い。


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